自車位置の測位精度について
7マップマッチング機能について
マップマッチングとは、道路から外れた自車の位置を、論理的に地図画面の道路に合わせる機能のことです。
GPSや自律航法による測位には誤差が生じることがあり、現在地を道路以外の場所(川や海の上など)に表示してしまうことがあります。このような場合に、「車が海や川の上を走るはずがない」という論理的判断に基づき、現在地近くの道路上に自動修正します。
本機は、GPSと自律航法を併用して精度の高い測位を行った上でマップマッチング機能が動作するため、より正確な現在地を表示することができます。
7準天頂衛星「みちびき」について
本機は準天頂衛星「みちびき」の受信に対応しています。
従来のGPS衛星からの信号に加え、「みちびき」からの信号を受信することで、山間部やビル街でも測位精度を向上することができます。
7自律航法とは
車速パルスと内蔵の6軸センサーを使って測位します。走った距離を車速パルスで、曲がった方向を6軸センサーで検出して、GPSで測位できない状況でも現在地を割り出します。
76軸センサーについて
本機には6軸センサー(3軸ジャイロセンサー+3軸加速度センサー)を内蔵しています。
上下/左右/回転方向のセンサーが独立しているため、互いの影響を受けずに精度の高い角速度/加速度の測定が可能です。
7高測3Dジャイロについて
内蔵の6軸センサーによって、自車の傾斜や高さの変化を測定しています。これにより、ランプ等で道路が上下に分離したときに、地図データの高さ情報をもとに、どちらにいるかを判定します。
高さ情報があるのは、高速道路/国道/県道などの全国主要道です。高さ情報がないところでは、判定されません。高さ情報があるところでも、道路形状や走行状況によっては、正しく判定できないことがあります。
7誤差について
本機は、GPSと自律航法を併用した精度の高い測位に加えて、さらにマップマッチング機能を動作させて誤差を最小限にしています。しかし、さまざまな条件や状況によって、これらの機能が正しく動作せず、誤差が大きくなることもあります。
GPS測位不能によって生じる誤差について
- 次のような場所にいるときは、GPS衛星の電波が遮断されて電波を受信できないため、GPSによる測位ができないことがあります。
- トンネルの中やビル内の駐車場
- 2層構造の高速道路の下
- 高層ビルなどの間
- 密集した樹木の間
- GPSアンテナの近くで自動車電話や携帯電話を使っている場合、電波障害の影響で一時的にGPS衛星からの電波を受信できなくなるため、GPSによる測位ができないことがあります。
- 3基以下のGPS衛星の電波しか受信できない場合は、GPSによる測位はできません。
GPS衛星自体の原因により生じる誤差について
- 電波を受信しているGPS衛星の配置が悪いとき(衛星が同じような方向や同じような高さにあるとき)には、十分な精度が得られないことがあります。このようなときは測位の誤差が大きくなります。
- GPS衛星による測位では、高さ方向の精度は、水平方向と比べると誤差がやや大きくなります。自車の高さよりも上にある衛星の電波は受信できますが、下(地球の裏側)に位置している衛星の電波は物理的に受信できないため、高さに関して十分な比較ができません。
7その他の誤差について
以下に示す状況の場合も、測位の誤差が大きくなります。
- 工場などの施設内の道路を走行中、施設に隣接する道路に近づいた場合
- エンジンをかけてすぐに走行し始めた場合
- 地図と実際の道路形状が異なる場合
7低速時の測位精度について
車種によっては、時速数km程度の低速時に、車速パルス信号が出力されないものもあります。そのような車種では、渋滞中や駐車場などで時速数km程度の低速走行が続くと、自車位置が正確に表示されない場合があります。
7地図の道路データについて
地図画面に道路が表示されていても、その道路をルート探索できない場合があります。そのような道路にはマップマッチングもできない場合があります。